ラナイのある家

機会があって、東京から葉山に越すことにした住み手。東京では時間に制約されたストレスの多い日々でした。「ここでは、ゆったりとした時の流れの中で丁寧に暮らしたい。日々の生活も、そして人との関係についても」、と言われました。それは雑に生きている自分に、深く沁みる言葉でした。そんな暮らしに添う住宅をつくれるチャンスに恵まれて、とっても嬉しいと思いました。
「生命の終わりの日まで台所に立ちたいと願っています。それを実現できる場がほしいです。」と要望されました。住み手が台所に居て、ゆっくりと丁寧に昆布やカツオで出汁をひくイメージが目の前に広がりました。それがこの住宅の核になっています。その場からいろんな関係をつくることとなりました。スープの良い香り。 生命をつくるものをいただくことの大切さ。それを大事に暮らすことを選んだ生活。
所在:
葉山
建築形式:
新築
竣工:
2010年
構造:
在来工法軸組木造
延床面積:
85.12㎡(25.74坪)
テーマ:
丁寧に暮らす生活
建築家
東京都八王子市
NAOMI TANAKA
田中ナオミアトリエ一級建築士事務所