千早の家

都心の街並みに挿入された “ 北の庭 ”
この住宅では,あえて北側にこの家の庭としてのオープンエリアをプログラムし,直射光に頼らない柔らかい光に包まれる住環境を提案しています.そのことによって,都心における南庭が並ぶ画一的な都市の街並みに一石を投じ,以って北側隣地の南側オープンスペースと呼応させることで,この住宅にとってもより広がりのある優良な環境を創り上げようと意図したものです.この建物は,特徴的な3角屋根形状の2階の建築ヴォリュームが,最大4mの長さでキャンティレバー状に東側の公園方向に跳ね出すという象徴的な構造フレームを呈しています.3角形の屋根を構成する傾めの壁は,眼前に広がる公園の風景を切り取る額縁的存在となり,木々の緑をより鮮明に室内へと導き入れます.
傾斜壁に包まれた住空間では四季折々に移ろい往く公園の自然の美しさを体感することができ,その3角屋根の形状は特徴的な北側の庭へ南光を導くことにも寄与しています.
所在:
東京都豊島区
建築形式:
新築
竣工:
2021年
構造:
鉄筋コンクリート造 地下1階 地上2階
延床面積:
231.01㎡(69.88坪)
種類:
親世帯夫婦+子世帯夫婦+孫2人+猫4匹(二世帯住居)
テーマ:
造形美、借景(親緑空間)、北庭(オープンスペース)
建築家
東京都渋谷区
HIROSHI SHOJI
庄司寛建築設計事務所